おすすめの一冊

2017.05.20
満願

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2014年のミステリー年間ランキングで3冠に輝いた本である。発刊時から評判の書であり、学生ブックハンティングの成果として図書館に入ってきた。6編のミステリー短編が収められており、主人公の語りで物語は進んでいく。各人の人生における一つのエピソードを語ったものであるが、いずれの作品も読み進めるうちに鳥肌が立ってくる。殉職した部下の不可解な行動の闇に思いを馳せる先輩刑事、交通系都市伝説の取材のはずが自ら犠牲者になるべく次第に追い込まれていくライターなど、登場人物の心の動きが主人公の語りを通して手に取るように伝わってくる。読後は一人で物語を反芻し考え込むことになり、決して後味はよくないので、悪しからず。