おすすめの一冊

2018.01.19
迷わない力

教員名:

出張での帰りに電車の時間待ちで本屋に立ち寄ったときに、ふと目に留まった本がありました。吉田沙保里著「迷わない力―霊長類最強女子の考え方―」という本です。丁度、リオのオリンピックが終わったあとなので、レスリングの吉田沙保里選手の活躍については感動もあり、「そんな本を出していたんだ」と思わず手に取りました。とても分かりやすい文章だったので、車中での暇つぶしのつもりで買ってみました。東京駅から上越妙高駅に着く間に読み終えるといった感じのページ数も少ない本なのですが、その内容は霊長類最強と言われるだけのことはあって、吉田選手の考え方が常に前向きにあったことが伺われました。「勝つ」というモチベーションをいかに持ち続けるか、また、そのためにしなければいけないことを考え、それを必ず実行することなど、読んでいる自分が「頑張ろう」と前向きになれる気持ちになれるようでした。特に、吉田家の家訓としての亡くなられたお父様の教えというものに関心を持ちました。「ウチはウチ、ヒトはヒト」といったことですが、吉田家には吉田家の流儀のようなものがあって、良くも悪くも、家族は世間的なものにとらわれず、その流儀に従わなければならないといった、今の時代ではかなり強引な感じのものでした。しかし、私には吉田選手のお父様の信念のような気迫が伝わって来て、ある種の良い意味での戦慄というか、気持ちが引き締まるような感覚を覚えました。この本は、これから自分の目標に向かって進もうとする学生諸君にも、また、目標を見失って迷っている人たちにとっても活力をいただける本ではないかと思います。2020年はおりしも東京でオリンピックが開かれます。吉田沙保里選手の更なる活躍を期待したいものです。