おすすめの一冊

2016.01.20
人間の條件

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学生時代に試験勉強を忘れて読んだ本の一つです。というか試験から逃れようとして読んだ本かもしれません。タイトルを見ると、哲学書かとも思ってしまいますが、逃れようのない戦争の渦に飲み込まれていくその時代の人たちの生きざまを、これでもか、これでもかと、生々しく描き出し、登場人物たちの身体の痛みや苦悩が読み手の私たちまで直接伝わってくるような小説です。それもそのはず、作者の実体験の苦労がその背景にあるからです。戦後70年と言われている現代だからこそ、この本をおすすめします。