おすすめの一冊

2020.01.14
刑務所しか居場所がない人たち

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著者の山本さんは、元・衆議院議員であり、政策秘書給与の流用事件によって、実刑判決を受け、その獄中生活について、『獄窓記』や『累犯障害者』という本を執筆されています。これらの書籍は、塀のなかの実態に、世の光があてられる契機となりました。その実態は、まさに“刑務所しか居場所がない人たち”すなわち、障がい者の社会的排除でした。その後の研究やモデル事業を経て、これらの人々に対する支援体制が構築され、現在、一部の福祉関係者らは、熱心に取り組まれています。しかし、看護職には、未だ理解が浸透していない現状です。「地域共生社会」や「ノーマライゼーション」などの言葉は、講義でも聞いていると思います。この本に触れることで、看護職を目指すみなさんには、その実態と真の意味を理解し、光の影を捉えてもらえると嬉しいです。そして、影の部分へ眼差しを向けられる、看護職を目指して欲しいとの思いから、おすすめの1冊です。